彼女と初めて出会った時、彼女は、手のひらにすっぽり収まるほどの小さな赤ちゃんでした。初夏のある日の早朝。健康のために、早朝ウォーキング中に、とある場所に来た時、どこからか、ミゥ、ミゥと小さな赤ちゃん猫の声が聞こえたのです。けれど、どこを探しても姿が見つかりません。声を頼りにどこだ。どこだと探してやっと、消火栓をしまっている古い赤い箱の下に隠れて、ぶるぶる震えながら、お母さんを必死に呼んでいたのです。
一目で、彼女が猫風邪にかかっていることがわかりました。だって。すでに、右目がそのためか、目やにで覆いつくされて、見えなくなっていたのです。彼女を見た瞬間、ずっと、下の息子が"〇〇ではなく〇〇〇になったら、絶対に黒猫を飼うんだ!"っと言い続けていましたから、"あ! あの子の妹だ! 天の神様が、準備が整ったから、あなたたちの家族にしてやってほしい!"と。瞬間そうおもってしまたのです。
人間の言葉もわかるはすのない、彼女に、言い聞かせました。「ちゃんとここでまってるんだよ。あなたをずっと待っていたお兄ちゃんを連れてくるから、ここから動いてはだめたよ!」・・・と呼びかけ、急いで、家にUターンし、まだ完全に明けていない空の下、急ぎ足で、部屋に戻り、まだ夢の中にいた、彼に、〇〇君!起きて!あなたの妹が現れたよ!と、今から思えば、なんて、むちゃぶりなんでしょう。
とにかく、その時は、彼女の命を何が何でも、救わなくっちゃ!あのままほっといたら、彼女は死んでしまう!ただ、一心にその思いだけで、眠気眼の彼をたたき起こし、急いで、彼女のいる場所まで、連れて行ったのです。
彼もそれまでは、半信半疑でしたが、一目見て、私の言っていたことを理解し、なんとか、彼女を病院に連れて行かなくちゃ!と思ってくれて、近くに親がいないか、ひょっとして、飼い主がいるかもしれないことを、その場所の持ち主にも確認し、のらであることがわかり、人に聞き、犬猫病院を必死で探し、まずは、彼女の命を助けるため、できるかぎりの用意をしよとう、ただただ、そのことだけを無我夢中で、やってしまったのです。
病院の獣医さんのみたてでは、まだ生まれて一か月半にも満たない感じということだったので、まだ5月の半ば、だったら、お母さんと誕生日が近いね・・と息子の一言で、私と同じ誕生日になったのです。けれど、すでに、猫風邪が進行して、たぶん、鼻腔の奥の症状はなかなか治らないかもしれないといわれたのですが、母の愛で、ぜったいに治してあげたい!との思いで、本屋さんに行き、ネットでしらべ、予防接種ができるまでの間、イギリスなどハーブ王国知識本を読んで、ごはんに体調を整えるハーブを混ぜ、健康になれるよう、必死で、毎日をすべて、彼女のために使っていました。
その甲斐もあったのか、予防接種が受けられるころには、すっかり、彼女の右目も、鼻腔症もよくなり、無事必要な接種をうけられたのです。なんだか、人間のわが子の時よりも、必死だったように思います。
必死でしがみついてくる彼女をみて、初めての場所で、知らない大きな人ばかり、お母さんも兄弟も誰もいない場所に、連れてこられて、夜になると、不安でしようがなくなったのでしょう。とにかく、顔の近くまで、私の息を感じられる頬まで、這いあがってくる彼女を、そっと抱きあげ、やさしく、大丈夫だから、大丈夫だから、人間母さんが、あなたを守ってあげるから・・・とあやすように、実際、子守歌まで歌って、眠りにつくまで、ずっとあやしていたのです。
今から思うと、あの1ヶ月半という時間は、二人と一匹の中では、彼女に一番、お母さん全開だったように思います。
だから、私の母性は、彼女のおかげで、10%~15%から、20%~25&までレベルアップし、完結したのです。どんなにイタズラ・不機嫌になってカプリされても、あの瞳でにゃんと言われたら、許してしまう彼女の母さんになってしまう花おばさんです。彼女の成長話は、また今度。
スポンサーサイト